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ユリイカ 2007年12月臨時増刊号 総特集=BL(ボーイズラブ)スタディーズ

ユリイカ増刊「BLスタディーズ」を買ってしまった・・・だって大学の三●堂にあったんだもん・・・大学生協は入ってないくせにBLスタディーズは入れるのかよ。前のユリイカ増刊「腐女子マンガ大系」も同様に大学の売店に入っていたから買ったのであった。おそるべし。
今回も表紙絵が草間さかえなのかなーとおもったらちょっと違って、誰だろーと色々考えたけど、結局トジツキハジメだった。どうもこの人の絵は、微妙に草間さかえのイメージに似ていて、だけどなんか違ってあれー?てなる。
今回一番面白かったのは草間さかえのインタビュー。あの独特の絵の出来かたの種あかしが。全部技術の問題ってオイ!笑った。意外とそんなもんなんですね。
あと、小説のBLジャンルのところで、ひとつ農業モノ当たったらだーっと流行るかもね、と言う話をしていて、それはねーよ!とおもった。さすがに農業はないよ。漁業だって相当なキワモノだったじゃんか・・・笑
「バーバラ片桐は愛とヒューマニズムの作家である」にも笑ったwwwバーバラ片桐てwwww愛とヒューマニズムじゃなくてエロと笑いじゃんかよwwww最近は知らないけどさ。
木原音瀬は「牛泥棒」がほめられてて結構意外だった。ぶっちゃけ「牛泥棒」この人じゃなくても書けると思った。特に小説じゃなくてマンガだったら、こういうテイストは最近増えてるとおもう。それこそトジツキハジメとか。
あと内田かおる「飴と鞭」の評価が高かったね。みんなわかってるな!えらい!!振り回してるのは先生のほうっていうのが萌えるよね!
日高ショーコ、「美しいこと」の挿絵でいいなーとおもったけど漫画家だったのか。そうか読もうじゃないか。
あと、新田克己はBLの「王道」と言っている人がいて首をかしげた。「春を抱いていた」を読むと、私はあの人全然変化球だったと思うんですけれども。とくに初期は、リバはいるじゃん。その後はまあ王道なのかな?ふたりが段階を踏みながら愛をはぐくんでくよね。でも私にとっての永遠のBL王道は、志水ゆきの「LOVE MODE」ですから。

最近のBL業界には、どうやらテニ同人で当たってオリジに引き抜かれた人が多いそうで。そういう人は同人で培った能力ですぐにでも売れる作品が書けるようになるんでしょうねー。同人って自由だしね、うん。
しかし今思うと、新宿のルミネにあった有隣堂はすごかった、今注目されてる作家はほとんど既に平積みになってた。なんでなくなっちゃったの!!

という、全然レビューになってないレビューでした!だって対談とかインタビューのとこしか読んでないんだもん!
もっさり・もさえ * 四方山 * 22:33 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

あかないとびら (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

この漫画はですね、なぜかアマゾンさんが執拗に私に勧めてくる漫画くるもので、なんでよー絶対読まねーよキミが勧めてくるものは微妙に私の欲しいものとずれてるんだから!とおもっていたものです。ハイ。でも、「このBLがやばい!」を帯レビュー見たさに買って、勧められていていいかんじだったので買いました。ハイ。こうやってBLの波にもまれていくのね。

めんどいので今回はあらすじを飛ばします。ついでにこの本、一読しただけではあんまり面白いと思いませんでした。でも2回3回読んでるうちに「けっこういいじゃん」と思えてきました。スーパー上から目線ですいつもそうですがサーセン。

表題作は、なんといいましょうか特にそのケはない(なかった)攻が、先輩大好きハァハァな地味だけどフェロモン垂れ流しの受にイラッと欲情する?話です。一作目が攻の視点、二作目が受の視点なんですが、私は2作目のほうが好きです。だって攻の視点だと、なんかイラッとくるからしゃぶらせる、でも絶対に恋愛関係にはなんねーよ、という気持ちなので、萌えるけどちょっぴり悲しいものがあるんですね。でも受の心のなかを見せてもらいますと、実際のところ「服脱げ」って言われても「いいんですか?!」なわけだから幸せいっぱいなのですよ。
BLでよくある(とおもっている)「ひどいこと言われても好きだから平気」とかが、安っぽくなくそれなりの体温を伴って描かれているので、読んでいて出汁のきいた煮物を食っているような味わいがあります。
で、私が好きなのは2本目の収録作のカップルなんですが、これまた攻がちょっと酷い。まあありきたりな表現をすれば、一見王子様だけど好きな子には意地悪したいタイプの攻に、両思いなのに翻弄されちゃうみたいな話です。こちらは一作目が受、2作目が攻の視点をとっているんですが、攻視点が良いんですよ。かわいいかわいいと思いながらいじめ、いじめたらその泣き顔をまたかわいいと思う、ベタボレやんけ!スーパースィートなのにちっとも甘いと思わせない。ここの絶妙なかんじがですね、ひねくれBL読みの私の心のスマッシュですよ。
説明しようとするとどうしてもありきたりになってしまうんだけれども、読むとちっともありきたりではなく楽しめる本でした。つーかふつうに萌えた。
もっさり・もさえ * BL漫画 * 22:36 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

恋人たちの森 (新潮文庫)

現代のBLの原点とも言われる、森茉莉の「恋人たちの森」を読みました。この人って何気に鴎外の娘なんだよなあとおもうと、泣けてきます。日本文学の巨匠の一人である森鴎外の娘の著作が、エンターテイメントにすら分類してもらえるのか怪しいBLの原点とか言われてしまうなんて・・・
ちなみにこれはママンの蔵書です。ママンはBLはダメだけど、少年愛っぽいのとか耽美っぽいのならいけるらしいです。

物語としては、美少年パウロ(日本人ですがこのように呼ばれています)とその年上の恋人ギドウ(フランス人と日本人のハーフ)の幸せな生活が崩壊するまでが描かれています。また、文中では美しいものを描写することに関して、作者がものすごい執念を持って書いているのがわかります。

さて、この物語をBL的な視点から見ていきたいとおもいます。
まず、この物語がBLの原点と呼ばれてしかるべきものかということについてです。この作品は、文学において少年とその男の恋人について扱った物語だということで、当時からしたら画期的だったのでしょう。しかし、注目すべきは、著者が描きたかったものが生々しさを伴ったただの同性愛というよりはむしろ、美への追求から発生した同性愛であるという点です。この考え方は、現在まで連なるBLの着想の根底にあるものだと思います。最近はそうでもないですけれども、基本的にBL(やおい、JUNE、耽美系なども含め)には美形しか出てこないですもんね。この点においては、文学の中にBLのベースとなる思想を含ませた彼女の功績は偉大であったといえます。
次に、恋人同士の関係性についてです。最近のBLを知っている私からしてみれば、登場人物二人の関係はBL作品で描かれるような恋人関係とは少し違っているようです。もちろんそれは作者が直接的な性描写をしておらず、関係の深度について匂わせる程度に終わらせていると言うこともあります。しかし、私が読んだかぎりでは二人の関係は、古代ギリシャにおいて年長者が少年の精神面・肉体面ともに多岐にわたってを指導・教育し、なおかつ寵愛したという、少年愛の構図に見えます。
加えて、稚児と言われるべきパウロが、年上で経済的にも助けてくれているギドウにちっとも支配されているように見えないことも特徴的だとおもいます。むしろ、彼もギドウもいつも自由奔放に振舞い、お互いに女の恋人もいます。もちろん、二人とも女性に対してはちっとも本気ではないのだけれども。そのつかず離れずの距離感も、昨今のBLとは違っているようにおもいます。
最後に、物語の終盤に起こる悲劇は、ハッピーエンドを重視するBLよりはむしろ、JUNEっぽいなあと思いながら読みました。なおかつ、それが恋人同士の間で終始するものではなく、諸行無常というかそういう世界の大きな動きを感じさせるものでありました。やはり狭い世界のなかで終わってしまうBLとは一線を画しています。

ここまで書いておいて言うのもなんですが、私、そこまでこの人の文章が好きではありませんでした。だってざーっと読んでしまいたいのに、へんなところで読点が入って奇妙な息継ぎをさせられたりするんだもの。それについていくのが疲れました。。。でもまだ呼んでみようとおもいます。すべてはBLへの理解を深めるためです。

このレビューを書いていて、私はBLは少なくとも文学ではないけれども、ではエンターテイメントなのか、と言う疑問にぶつかりました。エンターテイメントの三大要素は「エロ・暴力・他人の不幸」だというのでおそらくはエンターテイメントなのでしょう。しかし、けっして上質のエンターテイメントだとは言い張れない、後ろ暗さを抱えているのも確かだと思います。
もっさり・もさえ * - * 01:15 * comments(1) * trackbacks(0) * pookmark
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